以前からマイニングに興味はありましたが、自作PCを作ったことがなく二の足を踏んでいました。
たまたま知り合いの社長さんがマイニングをしていたので、頼み込んで機材一式をお借りすることが出来ました。色々と教わりながらパーツを繋げるところから、OSインストール、実際のマイニングまでやってみましたので参考になれば幸いです。
結果としてPCの知識が詳しくなくても出来ますので、ザクザク掘ってみましょう!
もくじ
どういうマシンでマイニングするか
自分の予算と相談してパーツを揃える必要がありますが、ゲーミングPCや普通のPCでもマイニングは可能なのか?の疑問についても解説していきます。
グラボを複数枚、購入してラックを組む
社長さんが組んだメタルラック↑
見慣れないと大掛かりな感じに見えますが、構造としてはとてもシンプルです。またマイニング専用のフレームやメタルラックを使ったマイニング専用のPCは「リグ」と呼ばれています。「マイニングリグを組んでみた」と言っている人をネットで見たら、このことです。
写真のようにグラボを結束バンドで止めると転倒防止になります。
ゲーミングPC
ゲームをしているときはマイニングは出来ませんが、使っていない時間をマイニングに当てることが可能です。ゲーミングPCは高性能なグラボ(ビデオカード)が入っているのでパーツを揃える必要がないのもメリットです。
しかし24時間ずっと負荷をかけることによって、通常使用よりPC自体の寿命を短くする可能性があります。
普通のPC&Mac
普通のPCやMacで、ビットゼニー(Bitzeny)という仮想通貨マイニングすることが出来ますが、現在はビットゼニーの価格が低く、かかる電気代の方が多いためオススメできません。
しかし根気よくマイニングできるアルトコインを探せば普通のPCでも採算が取れるかもしれません。
マイニングおすすめ本・書籍
出典:Amazon
「DOS/V POWER REPORT」これ1冊あればOK!
マイナー座談会や、細かいパーツの話など盛りだくさんです。雑誌だからといってナメてはいけません、充実の内容です。
必要なもの
マイニングを始めるにあたって必要なパーツを一覧にしました。主にグラボを複数枚使ってマイニングをする前提で話を進めていきます。
パーツとは別にマイニングで得た仮想通貨を換金するために、取引所のアカウントを作る必要がありますので、まずは手数料が一番安く、しっかりとしたセキュリティ体制があるbitbankという取引所のアカウントをおすすめします。
仮にマイニングをしなくても仮想通貨の売買がシンプルにできるため、作っておいて損はありません。
bitbankってどんな会社?という疑問や、評判に関しては次の記事を参考にしてくださいね。
準備するもの一覧
名前 | 実際に使った機器 | 現在の価格 |
マザーボード | BIOSTAR tb250-btc | 13,882円 |
CPU | Celeron Dual-Core G3930 | 4,480円 |
電源ユニット | HX750i CP-9020072-JP | 19,800円 |
メモリ | W4U2400CM-4G [DDR4 PC4-19200 4GB 2枚組] | 11,680円 |
HDD(ハードディスク) | DT01ACA050 [500GB SATA600 7200] | 4,289円 |
グラボ(ビデオカード) | GeForce GTX1070 8GB Super JetStream | 102,487円 |
OS | windows10 | 12,900円 |
キーボード、マウス、モニター | - | - |
CDドライブ | DRW-24D5MT | 2,042円 |
細かいパーツ | - | - |
※パーツ価格は2018年2月6日時点の価格です。
※OSはWindows10をインストールせずにethOSというマイニング専用のOSもあります。
マザーボード
↑BIOSTAR TB250-BTC↑
マザーボードはグラボ(ビデオカード)が何枚装着できるかが重要です。マイニングは採掘速度を意味する「ハッシュレート」を上げることが収益に繋がるので、PCI Expressスロット数が多い方がよいのです。
PCI Express ×1を限界まで実装したマザーボードと×16→×1変換アダプタの組み合わせがベストですが、4枚以上のグラボにすると大出力電源が必要です。
数年前の古いマザーボードと新しいグラボは相性が悪いので、あまりおすすめはできません。
電源ユニット
HX750i CP-9020072-JP
グラボ1枚なら出力不足にはなりませんが、グラボ4枚以上になると写真のような1,000Wクラスの電源ユニットが必要です。
電源ユニットを出力を目いっぱい使うなら「80 PLUS GOLD」以上は欲しいところ。予算が許してくれるのであれば、PlatinumやTinaium電源がよいです。
お手頃価格でオススメの電源ユニットは「RMx Series RM1000x」です。
価格も23,000円前後とお手頃価格です。80 PLUS GOLD認証済みなので安心して使えます。
下の表はグラボ1枚あたりのTDPです。
TDPとは最大必要吸熱量のことで、消費電力ではないですが目安にはなります。実際の消費電力は公開されていませんが、最大でTDPの1.5~2倍ぐらいかかる場合がありますので、ブレーカーが落ちないように電力の見積もりはやっておきましょう。
GPU | TDP |
AMD Radeon RX 470 | 120W |
AMD Radeon RX 480 | 150W |
AMD Radeon RX 570 | 150W |
AMD Radeon RX 580 | 185W |
NVIDIA GeForce GTX 1060 | 120W |
NVIDIA GeForce GTX 1070 | 180W |
NVIDEA GeForce GTX 1080 | 180W |
写真のような、グラボ用に補助電源コネクタがたくさんある製品がおすすめです。1,000Wクラスの電源ユニットでもコネクタが少ないタイプが存在しているので注意が必要です。
CPU
マイニング専用であればCPUは一番安いもので問題ありません。仮想通貨マイニングはCPUに計算処理を任せることもできますが、GPUの方が効率が良く実行できます。マザーボードに対応したCPUの中で一番安いものを選びましょう。
安いCeleronが最適です。
CPU Celeron G3930
もしRyzenでMoneroをマイニングするならCPUクーラーはしっかり冷えるものにすべし!CPUは「Ryzen 1700」が一番効率がよいです。
メモリ
マイニング専用であれば4Gあれば十分です。
HDD(ハードディスク)
OSインストールやマイニングソフトをインストールするために必要です。Windows10は20G以上のHDDが必要です。
グラボ(ビデオカード)
GeForce GTX1070 8GB Super JetStream
マイニングの要であるグラボ選びはとても重要です。性能と消費電力のバランス、耐久性があるメーカーを選びたいところです。
入門用としては「PULSE RADEON RX 560 4G GDDR5」が補助電源がいらないので本気のマイニングとまではいかないが、20,000円前後で購入できるのでおすすめです。
PULSE RADEON RX 560 4G GDDR5
GeforceとRadeonのように違うグラボが混在していると不安定になることがあるので、同じもので統一するのが望ましいです。
マザーボードに限界までグラボを接続したい場合はライザーアダプターカードというものを使いましょう。
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ライザーは初期不良が多いようなので、購入したらすぐチェックして動かないものは返品・交換してもらいましょう。マザーボードを変えたら動いたケースもあります。
OS(Windows10)
Windows10をインストールするDVDが必要です。
キーボード、マウス、モニター、その他細かいパーツ
・キーボード、マウス、モニターはあるもので十分です。
・電源ボタンスイッチケーブル
マイニングはPCケースに収納せず、むき出しでやるのでスイッチケーブルがあると便利です。
・結束バンド
この記事の上から2番目の写真のように、リグを組むときにグラボを結束バンドで固定するために使います。
・電源連動ケーブル
グラボ用の補助電源コネクタが足りなくなったときに活躍してくれます。「アイネックス」というメーカーがおすすめです。コネクタを差す時はカチっとすぐ出来ますが、抜くときがかなり力がいるので配線を間違えないように注意しましょう。
パーツを全て繋げてみました
やや雑な感じになりましたが、こんな感じに出来上がりました。しっかり稼ぎたい方は是非リグを組んでみてください。
セットアップ
パーツを繋げましたらWindows10のインストールを行いましょう。電源をつけてWindows10のインストール用DVDを挿入します。
自作PCにWindows10をインストールする方法はカズチャンネルさんの動画を参考にしてください↓苦戦と書いてありますが、簡単にできます。
おすすめソフトのNicehash
Nicehashというフリーソフトをダウンロードすることによってマイニングが可能な状態になります。Nicehashは自動的にマイニング効率の良い仮想通貨を選んでくれて、報酬をビットコインで受け取ります。
Windows10を買うのが高いという方はEthOSというマイニング専用OSを約40ドルで購入してマイニングをすることも出来ますが、私のように自作PCを作ったことがない方はWindows10の方が簡単に設定が行えます。Linuxを触った経験がある方はEthOSも試してみてください。
NicehashとEthOSの比較表を作ってみました。
比較項目 | Nicehash | EthOS |
価格 |
最低1万円(windows10) nicehash自体は無料 |
DL版だと40ドル程度 |
セットアップ | windowsなので簡単 |
グラボはすぐに認識するが、それ以外の外部機器はドライバのインストールが必要で面倒 |
メモリ |
OS自体の使用メモリが大きい ethosより大きな容量のメモリが必要 |
メモリ使用は1G程度 |
ハッシュレート | ー | 同じグラボでもwin10よりハッシュレートが高くなることが多い |
グラボの認識数 | 一度に認識できるのが8枚まで | グラボが何枚でも認識する |
マイナーコインの設定 | シンプルにできる | マイナーなコインを掘るときの設定が大変 |
Nicehashのダウンロードから起動まで
Nicehashの公式サイトを開いてまず緑のダウンロードボタンを押します。
画面が切り替わりましたら、自分が持っているグラボを選択してください。私の場合は「GeForce」でしたのでNVIDIAを選択しました。Radeonのグラボを使う場合はAMDをクリックしてください。
ダウンロードが終わってインストーラーを起動させると、次のような画面にが表示されます。
Agreeをクリックして進めましょう。インストールが終了すればデスクトップ画面に「NiceHash Miner 2」のアイコンが置かれて、次の画面になります。
ACCEPTをクリックして進めます。
この画面に変わったら中央にある数字をそのまま入力します。
そうすると通常の起動画面になります。左上の「WALLET」をクリックしてウォレットアドレスを登録しましょう。
Eメールの登録を求められますが「Use BTC address」をクリックすれば登録せずにスキップ出来ます。
ここで取引所のウォレットアドレスを入力します。
NiceHashの使い方
起動画面にある「STARTボタン」をクリックします。USD表記が気になる方は「CONFIGURE」をクリックするとJPYに表示を変更することが出来ます。
作ったマイニングマシンでの性能チェック&最適化が始まります。1時間以上かかりますので放置しておきましょう。
最適化が終了すれば自動的にマイニングが始まります。
普段のマイニング画面はこんな感じです。英数字ばかりですが、本当に掘ってる感じして楽しいです。
2018年2月6日から数日稼働テストしてみて、どのぐらい稼げたかの結果は後日追記します。
追記→約3週間ほど連続運転させて約0.015BTC掘ることができました。当時のレートで1万円ぐらいです。やはりグラボ1枚だけだと効率が悪いですね。
NiceHashの手数料と送金してもらえる日ついて
Nicehashを使ってマイニングした報酬はすぐには受け取れませんので注意しましょう。決まった数量が貯まると自動的にウォレットに送金されます。
Nicehashの手数料
外部アドレスを指定した場合の手数料です。ここではbitFlyerのウォレットアドレスを設定したとします。
0.1BTC以上の送金 | 3% |
0.1BTC未満の送金 | 4% |
Nicehashのウォレット(内部ウォレット)に送金することも可能ですが、内部ウォレットは換金ができません。
また最終的には取引所でないと換金できないので、手間を考えてもbitFlyerのウォレットアドレスにしておけば問題ありません。
取引所のウォレットアドレスに関しては「ビットコインを日本円に換金する方法を解説!」を参考にしてください。
送金してもらえる日
0.1BTC以上 | 1日に1回 |
0.01BTC以上 | 1週間に1回 |
起動画面の緑のバー「BALANCE」は残高という意味で、ここのビットコインの数量が0.01BTC以上貯まると自動的にNicehashから指定のウォレットアドレスに送金されます。
マイニングマシンの注意点
マイニングをする時の注意点をいくつか挙げておきます。
グラボの熱に注意!
メタルラックや専用フレームでリグを組む時に注意したいのがグラボとグラボの間隔です。詰めて設置すると熱がこもるので処理性能が下がったり、最悪壊れることもあります。
間隔を空けるのと、サーキュレーターなどで冷却することをオススメします。
ケーブルは変換させない
複数枚グラボを使おうとすると、どうしてもグラボやライザーに接続する電源コネクタが足りなくなりがちです。24時間ずっと稼働させるので変換コネクタの接続部分が過熱してトラブルになるケースがありますので注意しましょう。
同じ部屋で家電を使わない
ブレーカーが落ちた経験は誰もが体験していると思いますが、マイニングを行うときにはいつも以上に注意してほしいのが電子レンジやドライヤー、電気ケトルなどの大電力を消費する生活家電です。
家庭内の電気系統をよく調べて、家電を使う部屋ではマイニングマシンを置かずに、別の系統のブレーカーに繋げるようにしましょう。
生活スペースには置かない方が家族に「熱い!」などの文句を言われません。逆に冬は暖房代わりになるので室温でのクレームは出ないでしょう笑
まとめ
マイニングは自作PCを作った経験がある方はとても向いています。何の苦もないどころか楽しみながらリグを組めるはずです。
組み上がれば放置して仮想通貨を掘ってくれますので、まさに不労所得になりますね!